【日本】 職務発明を法人帰属化へ調査研究スタート

特許庁は7月、会社の従業員が仕事で発明した「職務発明」について、制度の見直しのための研究調査に着手しました。

これは、国が今年6月に発表した成長戦略で、現在発明者に帰属する職務発明制度について、企業への帰属、又は使用者と従業者との契約に委ねて産業競争力を強化するとの方針を打ち出したため、実務的な検討を行うものです。

日本においては、企業での職務として行われた発明は、特許を受ける権利が企業ではなく、発明者に帰属します。企業は、特許権を従業員から譲り受けるために「相当の対価」を支払うことが特許法で決められています。

最近では、高額の「相当の対価」を認める判例が相次ぎ、経団連は、企業が司法の判断を仰ぐために長期にわたりリスクを抱え、国際競争上不利であるため、職務発明の法人帰属化を求める提言をまとめています。

国は、職務発明の特許権を企業に帰属することが出来れば、企業の訴訟リスクや、グローバル活動における経営上のリスクを減らせるとの考えです。

特許庁では産業界の代表者や学識経験者による委員会を設置し、国内と海外の制度運用の実態を調べ、年明け早々にも報告書をまとめることにしています。

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