国際特許出願をPCT出願で行う...必要となる費用は?

国際特許出願をPCT出願で行う...必要となる費用は?

こちらでは国際特許出願をPCT出願の方式にて行う場合、必要となる費用について解説。主な必要の種類やそれぞれの内容、各国移行時に発生する費用とそれぞれの内容についてご紹介しています。

国際特許出願の方法のひとつとして、国際的に統一された様式の資料を自国の特許庁が定める言語で作成し、自国の特許庁に提出するというのがPCT出願の方式。1国ずつ出願を行う必要があるパリ方式に比べ、手続きがより容易というのが魅力です。そんなPCT出願の費用について、見ていきましょう。

PCT出願の費用について

  • COST 01

    国際出願手数料

    その名の通り国際出願を行う際に必要となる費用で、国際出願を行う際には必ず必要となる費用のひとつに挙げられます。

    国際公開を含む国際事務局による各種任務の遂行に係る手数料として支払われるもので、大きな特徴としては、国際出願手続きの用紙枚数が30枚までの場合は143,200円30枚を超える場合には、用紙1枚ごとに1,500円が加算されていくという方式になります。

    なお、オンライン出願を行った場合、上記の合計金額から32,300円が減額されるという優遇措置が用意されていますので、可能であるならば、オンライン出願を積極的に行うべきと言えるでしょう。
  • COST 02

    調査手数料

    国際出願を行うにあたり、国際調査機関による国際調査が必要となる場合に発生する手数料になります。

    費用は国際調査機関によって異なり、欧州特許庁(ISA/EP)の場合は208,800円シンガポール知的財産庁(ISA/SG)の場合は173,600円となっています。

    日本国特許庁(ISA/JP)の場合、国際出願(英語)1件につき156,000円に加え、追加手数料として請求の範囲発明の数から1を引いた数に126,000円を掛けた金額が発生します。加えて予備審査手数料として、国際出願(英語)1件につき58,000円も発生する場合があります。
  • COST 03

    送付手数料

    受理官庁による国際出願の処理及び送付に係る手数料として発生します。ただし必ず発生するとは限らず、あくまでも該当する案件の場合に発生し、案件によっては不要となる場合もあり得ます。金額は国際出願1件につき70,000円となっています。

  • COST 04

    国際予備審査請求

    国際出願( PCT出願)の前段階として予備的に審査を行うことで、出願を行う国々の正式な審査を受ける前に、発明の特許権利の可能性や権利化に必要な要素などを具体的に指摘してくれるというものになっています。

    希望者が任意で受けることのできる審査となっており、PCT出願を行う際に必ず行わなければならないというものではありません。

    なお、請求は日本の特許庁へ行います。費用については48,900円からとなっていますが、請求項数によっても料金が異なってきます。具体的な料金は特許庁の国際予備審査請求用の手続料金計算システムで調べることができます。
  • COST 05

    弁理士費用

    国際出願( PCT出願)を行う際に、国際出願手数料として弁理士に支払う費用になります。気になる費用は請求項数や事務所によって千差万別ですが、一応の目安としては200,000円から300,000円程度というのがおおよその目安となっています。

    ただしこの金額はあくまでも国際出願に関する手数料であり、事務所によっては書類作成料などが別途発生するというケースもあります。弁理士費用に関しては、依頼する事務所に金額とその内訳を、事前にしっかりと、確認しておくことが賢明です。

PCTで各国移行時の費用について

  • COST 01

    翻訳費用

    あらためて申し上げるまでもなく、PTCにおいて出願から各国に移行する場合、書面の翻訳が求められます。例外はPTCが日本語で日本に移行するという場合位です。ちなみにPTCが英語で日本へ移行の場合、先に英語で提出し、翻訳は後日提出というやり方も可能です。

    またPTCが元々英語で行われており、英語の説明書があれば米国およびEUへの移行に関して翻訳は不要となります。

    一方、中国や韓国への移行に関しては、それぞれ中国語あるいは韓国語への翻訳が不可欠になします。なお、台湾や香港マカオなどの場合はPTC未加入のため、注意が必要です。
  • COST 02

    弁理士費用

    移行する各国の弁理士に、各国の特許庁への各種手続きを依頼するための費用になります。費用はまさにケースバイケースですが、米国ならびにEUは日本よりも物価が高く、また弁理士の社会的なステイタスも高いため、費用は日本の2.5倍、あるいはそれ以上にかかるという場合が多くなります。
  • COST 03

    現地代理人費用

    移行する各国の現地に駐在し、出願者と現地弁理士や現地特許庁との連絡や調整などを行う代理人に支払う費用になります。依頼する国際特許出願事務所が自社スタッフを各国に代理人として派遣している場合もあれば、現地の人材と提携しているという場合もあります。

    この現地代理人費用も物価に比例して高額になっていく傾向があり、米国ならびにEUの場合はより顕著になります。
  • COST 04

    現地特許庁費用

    移行する各国の特許庁に特許出願・登録を行うために必要となる費用になります。もちろん各国ごとに審査が行われ、拒絶された場合にはその都度、拒絶対応が必要となります。

    とりわけ米国の場合は権利などに関してとてもシビアなため、何度も拒絶されたり裁判沙汰となってしまうということも珍しくありません。それこそ日本の10倍、100万円超えとなることもあり得ますので、この点は十分に踏まえておいてください。

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