【日本】特許法条約加入に伴い、特許実務が変更になります

 特許法条約の加入、及び平成27年特許法改正により、平成28年4月より、一部の特許実務が変更になりました。特許法条約は、特許手続の簡素化により、出願人負担を軽減すること目的とした条約で、今回の実務変更は、主に、出願書類に不備がある場合や、期限を徒過してしまった場合に、出願人に対して救済手続きを提供することを目的としています。
 以下、出願人の皆様に影響のある実務変更について、簡単にご説明します。

(1) 明細書及び図面の欠落の補完が可能になります
 明細書及び図面に欠落があった場合、その欠落を事後的に補完することができるようになります。欠落の補完の期間は、特許庁から、欠落があるとの通知があってから2ヶ月か、自発的に補完する場合には、出願日から2ヶ月です。
 欠落を補完した場合、出願日が欠落の補完の日に繰り下がることがありますが、優先権主張を伴う出願の場合は、出願日が繰り下がらない場合もあります。

(2) 期間満了後の期間延長が可能になります
 例えば、拒絶理由通知への応答期間の延長の場合、これまでは、応答期間が満了するまでに延長の手続をとらなければなりませんでしたが、今後は、応答期間満了後でも、一定の手数料を払えば、期間を延長することができるようになります。期間の延長は、期間が満了してから2ヶ月間行うことができます。
 ただし、これまで期間を延長できなかった手続について、新たに期間延長を認めるものではありません。したがって、出願審査請求期限や拒絶査定不服審判の請求期限などを徒過した場合には、これまでどおり期間の延長はできないことになります。

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