Newsletter 2023年10月号

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ご挨拶
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心地よい秋晴れが続くこの頃、皆様におかれましては、お健やかにお過ごしのことと存じます。

さて、今月号のニュースレターのトピックスですが、「知的財産侵害物品認定手続における簡素化手続の対象拡大」、「AI 時代における知的財産権に関する意見募集について」、「2024年版世界大学ランキング 日本が飛躍、特許への貢献度が高評価」についてです。

知的財産侵害物品認定手続における簡素化手続の対象拡大

2023年10月1日より、知的財産侵害物品認定手続における簡素化手続の対象が拡大され、新たに、特許権、実⽤新案権、意匠権、及び保護対象営業秘密が加わりました。これまで、簡素化手続の対象は、権利者からの輸⼊差⽌申⽴てが受理された貨物のうち、商標権、著作権等の一部の知的財産に関するものに限られていました。今回の改正により、全ての知的財産に関する輸⼊差⽌申⽴てに係る貨物が簡素化手続の対象となりました。

輸入貨物の認定手続の流れ

輸入貨物の認定手続の流れ

1.簡素化手続

(1)認定手続開始の通知

税関は、輸⼊貨物、国際郵便物の検査において、知的財産権を侵害すると思料される貨物を発⾒した場合で、犯則調査を行わないものについては、当該貨物が侵害品に該当するか否かを認定するための認定手続を開始します。受理済みの輸入差止申立てに基づいて認定手続が開始される場合、「認定手続開始(輸入者等意思確認)通知書」により、輸入者に意思確認が行われ、争う旨の申出がなければ、権利者に意見書の提出を求めることなく認定を行う簡素化手続が執られます。

認定手続開始の通知

(2)画像情報送信の申出・点検の申請・見本検査の申請

輸入者又は権利者は、認定手続において証拠を提出し、意見を述べるため必要であるとして、当該認定手続に係る疑義貨物の画像情報の電子メ-ルによる送信を希望する旨の申出をすることができます。なお、受理済みの輸入差止申立てに基づいて認定手続が執られる場合には、点検の申請や見本検査の申請をすることも可能です。

(3)争う旨の申出があった場合の期限等の通知

輸入者から争う旨の申出があった場合には、輸入者及び権利者に「証拠・意見提出期限通知書」が交付され、「証拠・意見提出期限通知書」の日付の日の翌日から起算して1か月以内を目途に認定手続が進められます。

争う旨の申出があった場合の期限等の通知

(4)意見書の提出

輸入者又は権利者は、「証拠・意見提出期限通知書」の日付の日の翌日から起算して原則10日以内に証拠を提出し、意見を述べることができます。なお、輸入者が知的財産侵害物品に該当しないことを主張する場合には、それを証する書類の提出が求められます。

(5)認定通知

「認定通知書」により、輸入者及び権利者へ認定結果が通知され、疑義貨物が侵害物品に該当する場合は没収等の措置が執られ、該当しない場合は輸入許可となります。

2.認定手続が取りやめになる場合

(1)自発的処理

輸入者が認定手続中に廃棄、滅却、積戻し、任意放棄を行った場合、「処理結果通知書」により権利者に認定手続が取りやめになった旨が通知されます。なお、輸入者が認定手続中に輸入同意書の提出、切除等の修正を行った場合、疑義貨物が侵害物品に該当しない旨の認定結果が通知されます。

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弊所には、元東京税関の調査官が在席しておりますので、お気軽にご相談ください。
主な取扱業務:税関における差止申立て(申立書、侵害の事実を疎明するための資料、識別ポイントに係る資料等)、専門委員意見照会(陳述要領書等)、認定手続(意見書等)に関する業務


参照/引用元:
税関ホームページ 「知的財産侵害物品の取締り」最終閲覧日:2023年10月20日
https://www.customs.go.jp/mizugiwa/chiteki/pages/c_001.htm
税関「(お知らせ)知的財産侵害物品の認定手続における簡素化手続の対象拡大について」
https://www.customs.go.jp/mizugiwa/chiteki/pages/images/20230929kansokaPR-1.pdf

AI 時代における知的財産権に関する意見募集について

内閣府知的財産戦略推進事務局は、AIと知的財産権との関係をめぐる課題への対応について、「AI時代の知的財産権検討会」の開催を決め、その第1回目が10月4日に行われました。今後、関係事業者ヒアリング、関係省庁ヒアリング(文化庁・特許庁)を経て、年内の論点整理を目指しています。
また、今後の検討に資するため、下記の期間中、意見募集を行っています。

意見募集期間 2023年10月5日(木)~11月5日(日)(必着)
本検討会が検討対象としている項目 Ⅰ. 生成AIと知財をめぐる懸念・リスクへの対応等について
  • 生成AIと著作権の関係について、どのように考えるか。
  • 生成AIと著作権以外の知的財産法との関係について、どのように考えるか。
  • 生成AIに係る知的財産権のリスク回避等の観点から、技術による対応について、どのように考えるか。
  • 生成AIに関し、クリエイター等への収益還元の在り方について、どのように考えるか。
  • AI 学習用データセットとしてのデジタルアーカイブ整備について、どのように考えるか。
  • ディープフェイクについて、知的財産法の観点から、どのように考えるか。
  • 社会への発信等の在り方について、どのように考えるか。
Ⅱ. AI技術の進展を踏まえた発明の保護の在り方について
  • AIによる自律的な発明の取扱いの在り方について、どのように考えるか。
  • AI利活用拡大を見据えた進歩性等の特許審査実務上の課題について、どのように考えるか。

提出方法や詳しい情報は、下記のPDF資料をご参照ください。

参照元:
内閣府知的財産戦略推進事務局  資料2「本検討会の開催趣旨・背景」 2023年10月4日
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/ai_kentoukai/gijisidai/siryou2.pdf
内閣府知的財産戦略推進事務局 「AI 時代における知的財産権に関する御意見の募集について」 令和5年10月5日
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/titeki2/pdf/ikenbosyu_20231005.pdf

2024年版世界大学ランキング 日本が飛躍、特許への貢献度が高評価

英教育データ機関「Times Higher Education(THE)」による2024年版の世界大学ランキングが発表されました。日本の大学は、東京大学が前年から10ランク上昇し29位、2015年以降で日本の大学の最高順位を獲得しました。次いで、京都大学が55位(前年68位、以下同様)、東北大学130位(250位以内)、大阪大学175位(300位以内)、東京工業大学191位(350位以内)、名古屋大250位以内(350位以内)と続き、各大学ともに大幅にランクアップしました。

今回のランキングでは新たに5つの指標が加わり、このうち、「特許」の指標(大学が自国経済をどの程度支えているかの貢献度指標)で、日本の大学は高い評価を獲得し、前年からの大幅なランクアップに繋がったと考えられます。一方、「国際性や研究成果全般に関する指標では評価は依然として低い傾向にある」※1と指摘されています。

2024年版世界大学ランキング 日本が飛躍、特許への貢献度が高評価

参照/引用元:
※1 日本経済新聞(電子版) 「世界大学ランキング、東京大学29位に上昇 英機関調査」2023年9月27日 最終閲覧日:2023年10月20日
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE277RX0X20C23A9000000/
Times Higher Education (THE) 「World University Rankings 2024」最終閲覧日:2023年10月20日
https://www.timeshighereducation.com/world-university-rankings/2024/world-ranking
Times Higher Education (THE)「World University Rankings METHODOLOGY FOR OVERALL AND SUBJECT RANKINGS FOR THE TIMES HIGHER EDUCATION WORLD UNIVERSITY RANKINGS 2024」September 2023
https://www.timeshighereducation.com/sites/default/files/the_2024_world_university_rankings_methodology.pdf

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